さよなら官兵衛

8月17日、PM5時半過ぎに目が覚め、習慣化しているようにカーテンを覗き照明のスイッチを入れた。官兵衛が住む犬部屋を確認するためである。目を凝らしてみると呼吸をしているように見えない。寝ぼけ眼をもう一度擦り直してみても状況は同じである。サッシュのカギを開け犬部屋に降りてお腹や背中をさすりながら名前を呼んでみたが反応はない。急いで家内を起こそうと思い階段を上がりかけたが、その異変に気が付いたのか二階から家内が降りてきた。
二人で《かんべえ》《かんべえ》と連呼したが目を覚ますことはなかった。その間どのくらいの時間が経過したかは記憶にないが、家内と二人でオシメをはずしてウエットティシュで綺麗に官兵衛の体を拭き、物置から段ボールを探し出して棺にした。
斎場に電話を入れると10時までに来て欲しいと言われる。お花を買い求めて棺一杯に飾り二人でお経をあげる。もう少し一緒にいたかったが、季節もこの暑さであるし、斎場のスケジュールも考慮し我々は斎場へと向かった。収骨は1時間後に執り行った。
カーコ(猫ちゃん)クロちゃん(猫ちゃん)サンタ(柴犬)そして官兵衛(柴犬)
私たちは4人の子供たちを見送ったことになる。みんないい子だった。みんな好きだった。みんな可愛かった。我々の年齢を考慮すると、もう二度と子供と暮らすことはないと思う。
今朝も起きた時、カーテン越しに官兵衛が暮らした部屋を覗いてしまった。
15年と5か月の生涯だった。さよなら官兵衛、向こうに着いたら私達の子供と仲良く遊んでね。

27回目の宝塚

今年の宝塚へのお墓参りは11日に執り行った。
27年前43歳の時に草津駅のプラットホームで、下りの特急に撥ねられ亡くなった友人Ⅿ君の供養のためであるが、その間一度も途切れることなしに続けられている。
川西に住むK君は毎回ミニバイクでやって来る。同志社を卒業後、当時では稀であった外資系の製薬会社に入り、5年を残し早期退職し読書や旅行など、家族と楽しんでいる。
奈良に住むⅯ君は私鉄を乗り継ぎやって来る。大阪市立大学を卒業後、趣味も生かして近畿ツーリストに入社し、様々に紆余曲折の末、今も銀行の窓口で嘱託として勤務している。仲間内ではもっとも人が善く、彼を悪く言うものはいない。
姫路に住まいするT君は、技工士の専門学校に進み、長年こつこつと歯の仕事を積み重ね、今は息子がその家業を継ぎ、特別忙しいときには手伝うとのこと。
山崎に居るK君は龍谷大学を卒業後、長男ということもあり地元の企業に就職し、定年を迎えるや一念発起し、母校である龍谷大学の大学院に入学し、仏教と英語を学び直した。
お墓参りを終えると、恒例行事である宝塚ホテルの談話室で近況を語り合う。その場に、東京に住まいするH君が電話で参加する。H君は我々の仲間では最も優秀で、京都大学を卒業後日産自動車に入り、将来を嘱望されていたが、ゴーンショックでその道から外れ、ファイナンス会社を経由し、一時は体調を壊していたが、今は趣味の俳句でメキメキその才能が開花し、同人雑誌の編集長を任されている。私の俳句の師でもある。
同級生であるから当たり前だが皆全て《古稀》である。だがその一瞬だけ半世紀以上昔にタイムスリップする。
他愛のない会話は終わることなく続く。あと何年かな?と、誰もが心の中で思いながら……

当世野球気質

今、夏の甲子園真っ盛りである。
今年は100回を記念して参加チームは史上最高の56チームである。またイベントとして毎日、かつて甲子園を沸かした元球児レジェンド達が代わるがわる始球式を行うそうである。初日は松井(星稜)が行い、他には桑田(PL)、定岡(鹿児島実業)、牛島(浪商)、谷繁(江の川)、水野(池田)、坂東(徳島商)、太田幸司(三沢)また珍しいところでは中西太も行うとの事。高校野球ファンでなくともワクワクするメンバーである。
新しく延長13回から「タイムブレーク」制度が今大会から導入されることになり、《佐久長聖》と《旭川大》は初めてその制度で戦い佐久長聖が勝利した。
片やプロ野球、特にセリーグは広島が今年も独走態勢である。巨人も阪神も全くだらしないの一言に尽きる。両チームとも優勝するだけのチーム力は兼ね備えていると思うが、充分に発揮されていない。監督、コーチ並びに球団が勝ち方を忘れているような気がしてならない。特に両監督とも、人間とは?が理解できていない。だから選手の起用法が理に適っていない。指導者として一から出直して欲しい。
これは以前から気になっていたことであるが、投手の投げ方である。ランナーもいないのにセットポジションで投げる投手が圧倒的に増えている。コントロール主体だからだそうだが、はたしてそれが適しているとは思えない。少し以前はほとんどが振りかぶって投球をしていた。それからノーワインドアップになり、いまやセットポジションである。球威が落ちるのは誰もが周知のことである。今一度原点に返って欲しい。特に阪神の藤浪を見ていると、長所が全く生かされていない。欠点ばかり直そうとしている、もっとダイナミックに投げて欲しい、なにせ彼は日本を代表するピッチャーだから。
その影響かどうかはわからないが、高校球児の中にも、最初からセットポジションで投げる投手が今大会で目立つように思える。
ロシアワールドサッカーは十分我々を楽しませてくれたが、やはり野球人気はまだまだ続くと思われる。そのためにも野球ファンをがっかりさせないよう、改革すべきは改革し、良いところは残し、野球関係者は野球発展のために精進して欲しい。