オー・シャンゼリーゼ ~憧れのパリ~ 壱

 時は2014年8月4日AM6時自宅発。新幹線→はるかを乗り継ぎ、関西国際空港へ到着。エールフランスのチェックインカウンターを係員に尋ねながら手続きを済ます。ユーロと交換する。2年前イタリアを訪れた時とは随分為替相場に開きがあり、1ユーロ98円だったと記憶しているが、現在は136~138円位で30%程目減りした観がある。出発時刻(11時30分)までの時間をラウンジで、持参した小説を読みながら過ごした。
 搭乗案内のアナウンスがあり機内に入る。座席ナンバーを確認し、準備してあるブランケットや洗面用具、イヤホン等をチェックし終えてから着座し、予め客室乗務員に依頼していた雑誌を読み始めた。私の席は窓側で、ふと通路側の隣席に目をやると、黒のロングドレスを身にまとい、それに合わせた帽子を被った若い女性が席に着いている。これからパリまでの約12時間、一緒に同じ空間を過ごすのかと思うと、胸の高鳴りを覚えた。(本当に男と言う生き物は幾つになっても困ったものである)ちらりちらりと観察してみるとそのドレスは、膝下から20センチくらいと、お腹の辺りがメッシュになっており、センスの良さと健全な色気に私はしばし見とれていた。(と思う)
 ウェルカムドリンクを客室乗務員が運んできた。私はアップルジュースを頼んだ。彼女は白ワインを飲んでいる。AF291便は、予定を少々遅れて、パリド・ゴール空港に向けて離陸した。水平飛行になり、シートベルトの着用サインが消えた頃、ドキドキしながら隣の女性に頼りない英語で尋ねてみた。
「アーユウモデル?」
「ノー!スチューデント」から始まり、日本には観光で二週間ほど滞在し、フランスに帰るのだが、パリではなくどこかの都市(抜群のヒアリング力?を持ってしても聞き取れなかった)に住んでいるとの事だった。モデルのように美しいというと、『サンキュー』と笑顔が返ってきた。
 齋藤先生の忠告(人間には体内時計があり、時差ぼけをしないコツは機内食を摂らないこと)を無視して、昼食と夕食を運ばれるままに食べてしまった。隣席の美人スチューデントはデザートにフルーツを頼んでいたみたいで、私にマスカットやメロンをお裾分けしてくれた。「メルシー」と言うとニコッと微笑んだ。映画を見たり持参していた小説を読んだり、時々は眠ったりしながら、パリ時刻、8月4日午後五時頃ドゴール空港に着陸した。彼女は国内線に乗り換えるため、別の搭乗口に向かって行った。手荷物を受け取ってから、迎えに来ているだろうドライバーを探したが、なかなか見つけることが出来ず少々焦った。やっと[HIROKI KOYAMA]と書いてあるプラカードを探し当てたが、少し様子が変である。プラカードは二段書きになっており、私の名前の下に[AZUSA KOYAMA]という娘の名前も記されている。ドライバーが私を探し当てることが出来なかったはずである。二人連れだと思っているから、一人の私が分からない。私が[KOYAMA]だと言ってもなかなか信じてもらえず、パスポートを見せると、やっと納得してもらい迎えの車に乗ることが出来た。
 小一時間でホテルルーブルに着いた。チェックインをするためカウンターに行くと、何かしきりに尋ねてくる。よく聴いてみると、どうやら「二人ではないのか?AZUSAは一緒ではないのか?」と言っているみたいである。ノー、一人だと言うと、ようやく手続きをしてくれ、部屋に落ち着くことが出来た。シャワーを浴び、軽く睡眠をとる。時刻は午後8時前だが、辺りはまだ薄明るい。空腹を覚えたので、向かいの中華料理店に入り、焼きソバと餃子を注文する。運ばれてきた焼きソバを口にして、思わず吐き出しそうになった。これなら焼きソバUFOの方がはるかに美味しい。餃子に箸をつけてみる。まだ食べられた。
 不安を抱きながら、パリの一日目の夜がふけてゆく。齋藤先生の教えを無視した付けが、この後三日間も続き、時差ボケで悩まされることになる。

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