引き際考察

先日新聞を読んでいると、渡邉恒雄氏の記事が掲載されていた。よく見ると肩書きが記されていた。読売新聞社「主筆」だそうである。しかも『代表取締役主筆』である。大正15年生まれであるから、私の父親と同じ91歳である。旭日大綬章まで賜った人物である。
父親は9社グループ企業のうち1社だけ代表権のない取締役である。その他は私が全て剥奪したのである。その時、
「わしからなんでもかんでも取り上げてしまう、お前は冷たい息子だ」と怒った。私は「分かりました。ではもう一度あなたが社長をしてください。私が会長になりますから」と言った。今はオーナーという肩書きにしている。初めはしぶしぶだったが、慣れたのか気に入っている様子である。父は自ら《引く》ということが出来ない人間である。今もライオンズは辞めずに、チャーターメンバーとして在籍している。これは企業経営に支障をきたさないし個人の問題であるから好きにさせている。そういえば、運転免許証も一向に返還する気がない。(これは困ったものである)
鈴木自動車が起こした一連の不祥事で、責任を取って『CEO』を辞任すると発表した後、当の本人は「引き続き、代表取締役会長として、大所高所から見守っていく」と発言している様子をテレビで見て、開いた口が塞がらなかった。思わず私は、
「諸悪の根源は貴方でしょう」と口走った。
イトーヨーカドー&セブンイレブンの鈴木敏文氏のごたごた事件も世間を嘲笑させた。現在イトーヨーカドーの業績はあまり芳しくなく、セブンイレブンが好調な故に、連結で利益を計上していると聞いている。
上記二人の人物は、少し前までは名経営者として持て囃され、日本経済を牽引しているとまで云われていた。
これらの企業から比較して、私が関連する企業など百万分の一にも満たない小企業だが、私の引き際は自分でも誉めてやりたいくらい《さっぱり》していたと誇れる。
私と同業の社長たち3人も同じ時期に社長を辞したが、今も毎日出社し以前と同じ椅子に腰を据えているようである。
《人間引き際が肝心》とは言い古された言葉であるが、《言うは易し行うは難し》である。

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