ごちそうさま

朝食は、365日、食パン一切れ、牛乳しかも低脂肪ワンカップ、リンゴ三切れ、ヨーグルト一個、そして最近目玉焼きが加わった(その理由、家内が留守の時私が自分で目玉焼きを作って食したと話してから)。
夕食、殆ど自宅で摂る。外食をするときは必ずその旨を家内に伝えなければならない。時々は家内と町内の寿司屋に行くこともある。
昼食、殆ど外食。年に何回かは自宅ですることもあるが、その割合は、一年のうち数回である。
私は一人で食事をするのが苦手である。パナホーム時代は秘書と二人で昼食を摂った。社長を辞してからは一人でしなければならない機会が多くなった。
一人で昼食が出来るところを列挙してみると、長浜ラーメン、かなふく、孝ふく、それに飾磨食堂くらいである。
その飾磨食堂での出来事である。
飾磨食堂は、我々が学生時代を彷彿させる昔懐かしいスタイルである。車を停めて中に入ると、いらっしゃい、と威勢の良い声がかかる。お盆の上に箸を置き、順に並べてあるおかずを取っていく。記憶のままに記してみると、卵焼き(いろいろトッピング出来る)、コロッケ、魚のフライ、ビフカツ、麻婆豆腐、肉じゃが、焼き魚、大根おろし、冷奴、サラダ、お漬物等々、最後に味噌汁、トン汁、ご飯。
本日は、コロッケ、肉じゃが、大根おろし、お味噌汁に小ご飯。〆て658円なり。
自分でお茶を汲み、向かい合った長テーブルに腰を下ろし食事を頂く。
そろそろ終わりかけた頃、ふと正面に目をやると、30歳前後の青年が食事を終え、胸の前で両手を合わせ、小声で《ごちそうさまでした》と呟いた。
私は、忘れかけていた心を引き出された思いになった。
なんと善い言葉であろう、なんと清々しい言葉であろう、なんと心が洗われる言葉であろう。私も思わず《ごちそうさま》と手を合わせた。
食事を済ませ外に出てみると、赤や黄色や青のシデに大通りから路地裏まで埋め尽くされている。播磨地方はすっかり祭り色である。
空は、知らぬ間に秋の雲に変わっている。自然は何もかもを飲み込みながら移っていく。

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