お伊勢参り

今から2000年前、天照大御神は奈良の都の皇居内にまつられていたが、倭姫命を御杖代としてより良い場所を求めて諸国を巡り、その結果伊勢が、風光も明媚で気候も温暖であり、山の幸も海の幸も豊富で、最も相応しい所と決め鎮座されたとある。伊勢神宮には内宮と外宮があり、内宮は天皇家の祖先で太陽にもたとえられる天照大神が祀られており、外宮は天照大神の食事を司り産業の守り神である豊受大御神が祀られている。外宮は内宮より500年後に建立された。お伊勢参りは外宮から内宮の順にお参りするのが習わしである。
お伊勢参りは鎌倉時代から始まり、江戸時代になると多くの庶民の間にも広まりを見せ、特にお陰参りと称される集団参詣はその時代の人口の1割近く、数百万人規模に及んだと言われている。江戸からは15日、大阪からでも5日くらいの日数がかかり費用も相当要したが、お伊勢参りの沿道に当たる人々は寛大で様々な施しを受けられたようである。
志澤塾の講座の一環として廣峯神社のご尽力のもと、塾生を主に一般参加も募り、総勢27名でお伊勢参りを行った。まず外宮を参拝し内宮へと向かう。20年に一度行われる式年遷宮は平成25年に8年の歳月をかけて執り行われた。途中戦乱や国の乱れから途切れたこともあり62回を数える。大鳥居の前で軽く頭を垂れ、五十鈴川にかかる宇治橋を渡ると自然に背筋が伸びる思いである。玉砂利を踏みしめながら正宮へと向かう。建築家ライトをも震撼させた正殿は五重の垣根に囲まれており、建物は古代からの様式神明造で、茅葺の屋根は10本の鰹木がのせられ、4本の千木の先端は水平に切られており、一分の隙も無い作りである。
           芳名帳に住所と志澤塾香山廣紀と記し、我々は神官の厳かな案内のもと、ここからは天皇家しか入れない鳥居の前で御垣内参拝をさせていただく。~二禮二拍手一禮~全員の御垣内参拝が正宮内に響き渡る。身も心も洗われその余韻に浸りながら神楽殿においてお祓いを受けたのち、引き続き古式豊かに奏でられる雅楽の中、6人の巫女による優美な舞を堪能する。控室に移動し直会を頂く。私は天照大神のお軸を買い求めた。一連の儀式を終え、おかげ横丁へと足を運び約一時間の自由時間を楽しんだ。
平成最後の年にお伊勢参りをさせて頂き、また一つ私の心の奥底に忘れえない出来事として深く刻み込まれた初冬の一日だった。

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