寺山公園

ここ2~3月前から自宅の目の前の小高い山通称『寺山』が急に騒がしくなった。林業を生業としている地元の業者が重機を巧みに操りながら道を切り拓き、樹木を伐採し始めたのである。一体何が始まるのか、と思いながら見つめていた。余程天候が良くない日以外は、日曜日も休みなしに重機はひっきりなしに動き続けた。近所の先輩に道ですれ違ったので何が起きているのか尋ねてみると、
「宍粟市からの要望で、市の入り口に当たる須賀沢に公園を造ってほしいと依頼があり、村でいろいろと協議を行った結果、この寺山がふさわしいということになった」のだそうである。
伐採が進んでいくうちに見慣れた風景はどんどん変化してゆき、殺風景な寺山に変身していく。思い起こせば小学高学年のころ我々3~4人の悪ガキが集まって、《基地》と称して寺山の頂上付近に山土を削って二畳ほどの敷地をこしらえ、その辺の木々や枝を端折って屋根や簡単な壁を作り小屋を築いて、親に弁当を作ってもらい、暖かい日は《基地》で夜を過ごしたことも幾度かあった。もうあの日には戻れないが、《基地》の思い出が毟り取られていく。
地元の放送で公園が完成したと告げられたので散歩がてら早速登ってみた。所どころ息が上がるような坂道はあったが、さほど苦にはならない。頂上に辿り着くと、山崎の街は一望できる。しかしながら公園と名ばかりで、ベンチもなければ東屋も無論ない。到底《基地》にはなりえない、と悲しい気持ちになった。
何とかならないものかと思い、のプレカット工場で作業工程上様々な端材が排出されているのを思い出した。すぐさま出かけて工場長に相談したところ「何とかします」と心強い答えが返ってきた。1週間ほど経過したころトラックにテーブル二つとベンチ三脚を乗せ、私の自宅まで運んで来た。自治会長をしている私の同級生に連絡し見に来てもらったところ、彼はたいそう気に入り次の日、村の役員3人ほどに声をかけ軽トラで頂上まで運んだ。それから何日か経ったある日、家内と二人で弁当を持参し登ることにした。登ってみるとそれらは何一違和感もなく辺りに溶け込こんでいた。《これは基地になりうる》とほくそ笑んだ。

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寺山公園 への1件のコメント

  1. 香山廣紀 より:

    一度お時間あれば登ってみてください

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